正道術の概要
総合武術である正道術の概要を大別すると『身術』『棒術』『剣術』になる。修練過程上、基礎術・姿勢術・応用術・明術・明戦術(約束組手・関節技を含む)・対戦術(自由組手)に移行でき、これを総括的に位階順位を表現する術名によって、酉・寅・月・月酉・月寅・星・星酉・星寅・日・大明術の十段階(段位)に区分できる。
正道術の修練過程では胎生過程(10ヶ月)、人生過程(100年)、永生過程(永遠)で分類される。
圓和道錬武館2020
一、『身術』
自分の個体を保護する目的で行う『姿勢術』『打撃術』『破撃術』『歩行術』『斜面術』『出下術』『循環術』等から構成されている。主に深山幽谷にて修錬する。
『姿勢術』
素手にて自身を保護する事を目的として修練し、武術の基礎をつくるもので、身術を治めてこそ棒術、剣術の修練過程と進む事ができる。
『打撃術』
肢体五体の何処を打たれても身体的なダメージを受けないようにする術。
『破撃術』
手、足、額等を訓練して、自然石等を肢体五体で直接打撃し破壊する術。
『歩行術』
岩山を想定し岩を飛びながら歩く術。
『斜面術』
斜面を転びながら受け身を取り下る術。
『出下術』
『循環術』
針、灸、整骨等で治めればスポーツドクターにもなれる。
『循環術』
針、灸、整骨等で治めればスポーツドクターにもなれる。
二、『棒術』
集団を保護する目的で行う『短棒術』『中棒術』『長棒術』『耞棒術』『連棒術』から構成されている。
『短棒術』
棒の長さは片腕の長さまでを基本とした棒で戦う術。
『中棒術』
棒の長さは両手を広げたときの長さを基本とした棒で戦う術。
『長棒術』
棒の長さは中棒の長さを超える長さを基本とした棒で戦う術。
『耞棒術』
ヌンチャクや三節棍等の途中で折れ曲がる武器を使用して戦う術。
『連棒術』
帯や衣服などを武器として使用して戦う術。
三、『剣術』
国家、民族の保護を保護する目的で行う。正道術で使用する剣は寅年の寅の月、寅の日の寅の刻に制作し始める。剣の反りはなく、直剣である。
『短剣術』『中剣術』『長剣術』『双剣術』『鏢剣術(弓術を含む)』から構成される。
『短剣術』
剣の長さは掌の長さ(小刀)や肘から指先までの長さまでの剣を使用して戦う術。
『中剣術』
剣の長さは片腕の長さを基本とした剣を使用して戦う術。
『長剣術』
剣の長さは中剣の長さを超える長さを基本とした剣を使用して戦う術。
『槍術』
槍を使用する術
『双剣術』
両手を使い二本の剣で戦う術。
『鏢剣術』(弓術を含む)
小刀、手裏剣などの武器を投げて戦う術。
安 吉源 総館長が山修練で落ちていた箸を松の木に向かって投げたところ、松の木に突き刺さったのを見た。箸は韓国で普通に使用されているステンレス製であった。(石﨑師範の証言)
四、『姿勢術』の詳細
『姿勢術』は基礎術から正道術寅術五番まで、131個の型がある。最初の基礎術は、母親の胎内で胎児が最初にとる姿勢を示し、術が進むに従って、地上生活を始め成長して一人前になっていく姿を、段階的に表現している。
術が進むに従って酉(鳥)や寅(虎)の闘争の原理を応用した球形運動を主体とする動きを展開し、高度の修練を積めば猛獣さえも相手にすることができる。
■正道術三姿勢
正立姿勢(自然体・日常生活の一番最初にとる動作)
正姿勢(正道術修練を受けるための最初にとられる姿勢)
本姿勢(正道術姿勢術の中で一番最初による動作)
■正道術の人体六方向
(1)上(2)下(3)前(4)後(5)左(6)右
■人体三区分
(1)頭部「正」(2)胴部「道」(3)四肢「術」、各々の縦横の中心部に集中して365の急所※1がある。
■その他
顔の三区分・拳の三区分・足の三区分がある。
※1 人体内ツボ(経穴)の数は、世界保健機関(WHO)で認められている361個というのが一般的ですが、実際にはそれ以上ともいわれています。
1)『基礎術』20の術
(一)上体術
(1)上体術一番(胎児が母体内で最初にとる姿勢を現している)
(2)上体術二番(左術と右術がある)(3)上体術三番(4)上体術四番
(5)上体術五番(6)上体術六番(7)上体術七番(8)上体術八番
(二)下体術
(1)下体術一番(2)下体術二番(3)下体術三番(4)下体術四番(5)下体術五番(6)下体術六番(7)下体術七番(8)下体術八番(9)下体術九番
(三)全体術
(1)全体術一番(2)全体術二番(3)全体術三番
2)『基礎姿勢術』37の術
正道術十一姿勢
(一)基本術1〜3番(二)手足術1〜3番(三)徒歩術1〜3番
(四)自転術1〜5番(五)回転術(六)左右術
(七)防御術1〜5番(八)攻撃術1〜5番(九)反撃術
(十)仮敵術1〜5番(十一)正道術1〜5番
以上の37個の動作で構成されている。身術(肉身)の修練過程において『棒術』の基礎姿勢動作を修練する過程である。
3)『酉術姿勢術』37の術
(一)酉術基本術1〜3番(二)酉術手足術1〜3番(三)酉術徒歩術1〜3番
(四)酉術自転術1〜5番(五)酉術回転術(六)酉術左右術
(七)酉術防御術1〜5番(八)酉術攻撃術1〜5(九)酉術反撃術
(十)酉術仮敵術1〜5番(十一)酉術正道術1〜5番
『酉術姿勢術』は、修練過程において『基礎姿勢術』の同一の37個の酉術の動作で構成されている。身術(肉身)と共に『棒術』の修練過程において『剣術』の基本姿勢動作を修練する過程である。
4)『寅術姿勢術』37の術
(一)寅術基本術1〜3番(二)寅術手足術1〜3番(三)寅術徒歩術1〜3番
(四)寅術自転術1〜5番(五)寅術回転術(六)寅術左右術
(七)寅術防御術1〜5番(八)寅術攻撃術1〜5(九)寅術反撃術
(十)寅術仮敵術1〜5番(十一)寅術正道術1〜5番
『寅術姿勢術』は、修練過程において『酉術姿勢術』の同一の37個の寅術の動作で構成されている。身術、棒術、剣術の131個の修練過程において『明術姿勢術』の基本姿勢動作を修練する過程である。
5)『明術姿勢術』10の術
明術姿勢術は10個術(段階)であり人間の母体から胎生し、成長し、出生する過程を象徴的に表現している。上述の全ての技を合計すると141の術となる。
身術、棒術、剣術等の131個の動作を明術姿勢術10個術に移行させると、多様な変化無双となり、予覚(予知)的で威力のある姿勢動作の修練過程が終了する。そして無我状態の永生過程に引き継がれていく。
五、位階順位
位階(級や段)は十段階に区分される。
酉術、寅術、月術までの「基礎姿勢術」37術
月酉術から月寅術、星術までの「酉術姿勢術」37術
星酉術から星寅術、日術までの「寅術姿勢術」37術
大明術は最終段階であり、「明術姿勢術」10術がある。
帯は下丹田(臍下三寸)の位置で蝶々結びをする。帯の色での位階区分は無く、位階が上がっても白帯のままである。位階区分に従い青色の線が襟、袖、裾に入る。更に補師範からは頭巾が与えられ、各位階によって与えられる頭巾のマーク等が異なる。
1)基礎姿勢術
『酉術』襟青
自転術1〜5番、まで修練後、審査合格者
『寅術』袖青
左右術、まで修練後、審査合格者
『月術』裾青
仮敵術1〜5、まで修練後、審査合格者
2)酉術姿勢術
『月酉術』足裾 青
酉術手足術1〜3番まで修練後、審査合格者
『月寅術』頭巾 酉 補師範
酉術姿勢術まで修練後、審査合格者
(月寅術より頭巾が与えられ、額の中央部に円形の丸の中に”酉”の字マークが入る)
『星術』頭巾 寅 師範
酉術仮敵術1〜5まで修練後、審査合格者
(星術の頭巾は額の中央部に円形の丸の中に”寅”の字マークが入る)
3)寅術姿勢術
『星酉術』
寅術手足術1〜3番まで修練後審査合格者
頭巾 月 正師範
(星酉術の頭巾は額の中央部に円形の丸の中に”月”の字マークが入る)
袍 青色
(正師範の任命時に袍※1が与えられ、袍の色によって位階が異なる)
※1)袍(ほう)とは、東洋三国で用いられる衣服。日本においては、朝服の上衣のひとつ。武官・幼年用の闕腋袍(けってきのほう)と、文官用の縫腋袍(ほうえきのほう)がある。
袍 黄色 中央修練館 部長資格
『星寅術』
寅術左右術1まで修練後審査合格者
頭巾 星 館長資格
(星寅術の頭巾は額の中央部に円形の丸の中に”星”の字マークが入る)
袍 緑色
『日術』
寅術仮敵術1〜5まで修練後審査合格者
頭巾 日
(日術の頭巾は額の中央部に円形の太陽型マークがあり、丸の中に”日”の字マークが入る)
袍 赤色 総館長資格
(総館長は各国の館長を主管指導する位置にある)
四、明術姿勢術
『大明術』
寅術正道術1〜5番まで修練後、明術姿勢術の100日修練を三回修得した者
頭巾 大明
頭巾は額の中央部にマークが付けられ、日の字マークの円形の中に星があり、星の中央が赤、青、黄の三つ巴。この三つ巴(「日・月・星」「天・地・人」を象徴)は修練服の両肩部分にも付けられる。
袍 白色
韓民族は白衣民族と呼ばれているが、最高位の袍は白色である。大明術は他武道の最高位(十段)に相当し、風雲造化を思いのままに駆使できる神秘的な能力を得るとされている。
正訓
一、愛国、愛族心
二、悪を善に
三、意志と忍耐
舘訓
一、信義
二、勇猛
三、実践
師訓
一、真に学べ
二、汗を流して働け
三、福あるように生きよ
術名
酉 寅 月
月酉 月寅 星
星酉 星寅 日
大明術
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